市民新聞
座間市民新聞 2025年4・5月 第272号 第1回定例会議会報告特集
市民に寄り添った予算が必要
~2025年度一般会計予算に反対
2025年度座間市一般会計予算は508億2235万6千円で、前年度比9・6%、44億3274万2千円の増額となりました。本予算では、昨年度拡充された小児医療費助成事業の継続、子育て世代包括支援として産後ケアや妊婦支援給付金給付事業費の拡充など、評価できる点はありますが、問題点もあります。
まず、市民の大きな心配事である有機フッ素化合物による地下水汚染の問題に特化した予算がありませんでした。血中濃度検査を求める声もあり、市民の安全安心、そして大切な水を守る予算であるべきです。
学校給食費値上げ反対
次に、小学校給食費を月額4500円から5300円へ値上げすることは大きな問題です。物価は上昇を続け、市民のくらしは今、本当に苦しい。国が全国まとめて無償にすればよいですが、それを待っているわけにはいきません。今回の値上げの影響は5625万円余りとのことで、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金の残額約6080万円を給食費に充当するべきでした。昨年9月の市長市議会議員選挙では、多くの市民から、学校給食費を無償にしてほしいとの声が寄せられました。しかし、共産党以外のすべての議員はこれに賛成しました。
市独自事業も廃止・縮小
また、今まで市独自の基準で行ってきた特別支援教育就学奨励等事業も補助見直しを行い、給食費修学旅行費、校外活動費、新入学学用品費の補助を国基準に合わせて、これまでの半額にしてしまいます。当局は就学援助制度の利用ができるから問題ないとの考えを示しましたが、就学援助には所得制限があります。就学援助が受けられない子どもはどうするのか。保護者の負担を増やしてしまうことになります。しっかりと寄り添った支援を継続するべきです。
そのほかにも、すくすく給付金や移動支援給付金、そして敬老祝い金事業について、当事者の声を聞くこともなく廃止することなど、の理由から、2025年度座間市一般会計予算に反対しました。
2月19日に完成した東中学校のエレベーター(11人乗り。写真は座間市提供)
水道料金の値上げは大問題
2026年4月から平均改定率18.78%の水道料金値上げという条例改正が賛成多数で可決しました。公営企業運営審議会では水道経営のシミュレーションをされましたが、動力費や委託費を過剰に見積もっていたことは否めません。そのシミュレーションに基づいて水道料金を値上げするという結論に至っています。そもそも物価高騰の中、市民生活に大きな負担となる水道料金値上げをすべきではないと考えます。また、8㎥まで基本料金だけだったものを今回から使用水量1㎥ごとに水道料金を増やす一方、大口使用者の5,001㎥の料金枠をなくし実質的に値下げすることは問題です。大口使用者に応分の負担を求めるべきです。そして、管路の耐震化や設備の維持補修は大事ですが、内部留保15億円程度をうまく活用して、値上げを回避すべきです。
また、宮ヶ瀬ダム計画に係る座間市の県水配分水量が協定書によって日量3万7300㎥となっていますが、実際の県水使用水量は日量約8200㎥で、約4倍の開きがあります。県水受水費は4億円超ですが、県水を使った分だけ支払うなら約1億5千万円に抑えられ、県水を使った分だけ支払うように改める必要があります。以上のような点から日本共産党市議団は反対しました。
新規・拡充された主な事業
◆母子保健事業費【産後ケアを市外でも実施など】拡充 9702万円
◆こども家庭センター運営事業費【母子保健と児童福祉の相談】新規 664万4千円
◆教育相談事業費【不登校対策の校内教育支援センター設置など】拡充 2419万円
◆図書館運営事業費【市内にブックポスト設置など】拡充 3509万8千円
◆消防庁舎管理運営費【消防北分署の仮眠室個室化など】拡充 4126万7千円
◆県央東部消防指令業務共同運用事業費【指令システム更新など】拡充 5億3871万3千円
◆キャッシュレス決済ポイント還元事業費【市民と中小事業者を支援】 新規 1億6千万円
◆交通防犯補助事業費【防犯用ドアホンなどに補助など】拡充 1274万8千円
◆ゼロカーボン推進補助事業費【省エネ家電買い換えとLED照明に補助など】拡充 6127万円
◆地球温暖化対策事業費【市民文化会館、相武台コミセン、北地区文化センターに太陽光発電など】拡充 4794万2千円
◆公園等施設改修事業費【遊具の改修など】拡充 1億6005万円
第1回定例会概要 市民のくらしを守り、要求実現へ奮闘
2025年第1回定例会は、2月19日から3月24日まで開かれました。議案は、2024年度一般会計・特別会計・下水道事業会計の補正予算8件、2025年度一般会計・特別会計・上下水道事業会計の当初予算6件、条例改正10件、高座清掃施設組合規約の変更に関する協議1件、市道路線認定1件、訴えの提起1件、陳情10件を審議しました。日本共産党市議団は、議案に対する総括質疑を守谷議員、討論を星野議員が行い、一般質問には守谷、星野両議員が立ち、意見書を2本提出し、市民要求実現のために奮闘しました。
陳情、意見書 ~市民の声に耳を傾けるべき
今定例会では、陳情を10件審査しました。採決の結果、採択されたのは「再審法改正を求める意見書の提出を求める陳情」(全会一致)一件のみ。継続は一件。党市議団が賛成した「最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める陳情」、「議会の審議において、どの議員が、どの議案に賛成、反対、棄権したかがわかるように図をつくり、自治体のホームページで公開することに関する陳情」、「訪問介護報酬引き下げ撤回と介護報酬引き上げの再改定を求める陳情」、「従来(紙)の健康保険証の発行存続を求める陳情」(同内容で3件)はすべて賛成少数で不採択(みなし不採択)となってしまいました。市民の声にもっと耳を傾けるべきです。
党市議団が提出した「75歳以上の医療費窓口3割負担の対象拡大を検討する方針の撤回に関する意見書」は、年齢が上がると健康状態が悪化しやすくなるが、経済的な理由により受診をためらう高齢者は現在でも少なくない。3割負担の対象が拡大されれば、受診控えが増え、高齢者の健康状態を更に悪化させることにつながってしまうなどの懸念から、国に対し、方針を撒回するよう強く要請するものです。「金融所得に係る課税制度の在り方の見直しに関する意見書」は、合計所得金額1億円を境に所得税負担率が減少に転じていることから、政府に対し、金融所得・資産状況を適切に把握し、金融所得に係る課税制度の在り方を見直し、措置を講ずるよう強く求めるものです。採決の結果、2件とも賛成少数で不採択でした。*詳細は表決結果をご覧ください。
一般質問 もりや浩一 児童ホームの改善を
児童ホーム(学童保育)について国は、児童1人につきおおむね1.65㎡以上という面積基準を奨励していますが、座間市は1.3㎡以上です。発熱した児童が横になる場所や児童を落ち着かせる場所を確保して国の面積基準を満たすべきと指摘。児童ホームの新設費用を質問しました。こども未来部長から「児童ホームの移転等にあわせ、国の基準に準拠していきます。新設には改修費約1000万円に加え、運営費が指導員3人で約1440万円です」という答弁でした。
また、児童ホームの入所選考の改善、障害者手帳のない児童に対する指導員加配、高齢者世帯への火災予防機器の給付や購入補助、有機フッ素化合物の血液検査、国の暫定基準値50ng/Lを基準値にする動きへの対応などを質問しました。
一般質問 星野久美子 市民の願い実現にむけた一般質問
1、2026年度から実施されるこども誰でも通園制度について、この制度の問題点を指摘しながら、本市ではどのように行っていくのか質しました。
答弁「国からの基準がまだ示されてないので明言できない」
2、視覚障がい児・者の交通安全について、音響装置付信号機の増設や、横断歩道へのエスコートゾーンの設置、また、座間駅前の点字ブロックと歩道等の改善や修繕を求めました。
答弁「点字ブロックの設置は、歩道の状況を確認して検討を行い、歩道の補修が必要な箇所は改善する」
3、小・中学校体育館への空調設備の設置について、「空調設備整備臨時特例交付金」を活用し、設置を求めました。
答弁「特定財源を最大限活用して、可能な限り早期に、財政面も含めて検討を進める」
2025年第1回定例会 主な表決結果